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湯布院で太宰治の人生に触れる!「ゆふいん文学の森」で歴史感じるカフェタイム
由布院駅から車で10分ほど進んだ先に、『ゆふいん文学の森』はあります。
目印の看板に沿って脇道に入って少し進んだ先の右手に広い駐車場があり、駐車場に車を停めると、そのすぐ上に建物を見ることができます。
元々湯布院で旅館を経営していた橋本律子さんが、荻窪の碧雲荘が取り壊しになることを知り、移築にかかる費用を全額負担しこの建物を湯布院に移築することを決めたそう。別府市の宮大工、神田眞男さんとそのご家族らによって、東京から大分へと移築されました。
玄関で靴を脱いで部屋の中に一歩足を踏み入れると、和洋折衷様式のお洒落な空間が広がります。まるで昭和初期へタイムスリップした気分。以前は入館料がかかっていましたが、現在は無料で利用することができます。
まずは館内をぐるりと巡ることに。一階は当時、碧雲荘の大家さんが暮らしていたスペースです。各部屋に椅子やテーブルを配置し、至る所に太宰治の作品や彼にゆかりの深い作家の作品が並べられています。
二階へ上がると、5つの部屋とお手洗いがあります。それぞれの部屋はフリースペースとなっており、読書はもちろんコスプレ撮影も可能。他のお客さんに配慮しながらであれば、自由に過ごしていいそうです。ちなみに廊下の奥にある一室が、太宰が下宿していたお部屋なのだとか。
部屋の窓からは由布岳を望むことができ、ゆったりとした癒しの時間が流れます。机には来館者が自由に書き込める交流ノートと徳利が。お酌をしながら、ここで執筆に更けた太宰に想いを馳せるのも風流なひとときです。
あらためて一階へ降りてカフェスペースへ。今回は一番人気の「読書コーヒー」と「ゆず蜜ソーダ」をいただきました。「コロナ禍ということもあり、カフェも縮小して営業していますので、お越しの際に注文できるメニューをご確認ください」とスタッフさん。オープン当初行っていた宿泊予約も、現在は休止しているとのことでした。
まずは読書コーヒーをいただくことに。とても飲みやすいすっきりとしたホットコーヒーです。読書コーヒーという名前の通り、集中した読書タイムのひと休みにぴったり!
続いて「ゆず蜜ソーダ」をいただきます。シュワシュワと炭酸がハジける暑い夏にぴったりの1杯は、爽やかなゆずの酸味とほんのりと優しい蜂蜜の甘さが絶妙なバランス。歴史を感じる空間でいただくと、美味しさもひとしおです。
館内では、「輪廻転読」といって、誰かにおすすめしたい本と読みたい本を交換するユニークな試みも行っていました。
本を交換したい人は、誰かに読んで欲しい本の「読書カルテ」を書いて棚に置き、読みたい本を一冊持ち帰るそうです。「誰かに読んで欲しい」という思いと共に置いて行った本が、次の人の元へと渡り、その人の心を動かすかもしれない。一冊の古本が「想いの連鎖」として輪廻していくことは、本にとっても幸せなことかもしれませんね。
『ゆふいん文学の森』では、未来の作家さんを支援するため、駆け出しの作家さんや自費出版の作品を積極的に受け入れています。「自分の作品を誰かに読んで欲しい」と作家さんが持ち寄った作品の数々を並べているコーナーがあるので、ぜひ手にとってみてください。
館内ではフリーWi-Fiが利用でき、外庭では喫煙も可能。太宰治関連の新書や、クリエイターによるグッズの販売も行っていますので、ぜひチェックしてみてください。
また庭にある灯籠と桜の木は、元々碧雲荘の庭にあったものを、芸人で作家の又吉直樹さんが自費で大分まで運んだのだとか。こちらも必見です。
太宰が「人間失格」の原型となる「HUMAN LOST」を執筆した碧雲荘が、大分で新たな命を吹き込まれ再び新しい歴史を歩んでいます。太宰ファンはもちろん、読書が好きな方や若い作家を応援したい方にぜひ一度足を運んでいただきたい場所です。現在は不定休での営業ですので、足を運ぶ際はSNSをご確認いただくか、お電話にて問い合わせてみてください。
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