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城下町の老舗食堂が、キッチン付きシェアスペースとしてリスタート!
城下町を歩いていると、初めて見るお店がちらほら…。
風情ある街並みはそのままに、オシャレなカフェや居酒屋も違和感なく溶け込んでおり、城下町ならではの懐の深さが感じられる。
今回の目的地は、『きつき衆楽観』の左横から「北台」に向かって伸びる「富坂」の最上部の一角に建つ『柳家』。明治4年に創業、時代に沿って変化を続け、今日に至るまで杵築の町を見守ってきた老舗の食堂だ。
大正時代は周囲に遊郭が立ち並び、繁華街の料亭として愛された。
昭和元年に現在の建物を新築。このころから食堂として親しまれるようになり、『柳家』で「いなりずし」と「うどん」を食べることが当時のステータスだったとか。
平成に入れば、100年の歴史を持つ食堂として名物の「ちゃんぽん」や「かくずし」を提供。“生涯現役”を貫く4代目の城寛さん、香代子さん夫婦は今でも週に2日は店に立ち、変わらない味を提供し続けている。
そんな『柳家』が、キッチン付きのシェアスペースとして再出発を果たした。
提案したのは、2人の娘である小倉倫子さん。ペット美容室を経営しながら、薬膳料理教室や茶道教室の開催、杵築まちづくり任意団体『きつき小町会』の代表、そしてシェアスペースの運営と、多岐にわたって活動する女性だ。
歴史ある建物の趣を生かした内装は、オシャレながらも荘厳さすら感じられる。
月・火曜は城さん夫婦が「ちゃんぽん」や「カツカレー」を提供。水~日曜には、カフェやバー、エステ、デイサロンなど個性豊かなお店に様変わりする。
「多くの方にご利用いただいておりますが、杵築でお店をされている方にも使っていただけるとは思っていませんでした」と小倉さん。
同市のレストランなど杵築で名の知れたお店が、城下町での出張営業の場としても利用しているのだとか。シェアスペースをきっかけに新しいコミュニティが生まれているというから興味深い。
訪れるお客さんは地元の人も多い。
「今回のリニューアルをきっかけに、昔からお店を知ってくれている方が懐かしんで来てくれることも多いです。地元が盛り上がるきっかけになればうれしいですね。お店だけではなくて、会議室や撮影スポットとしての利用も大歓迎です」。
老舗ながらも、変わっていく時代に合わせて柔軟に進化を続けてきた。
「変わらない場所で、新たな時代の繁栄を作り出す」と掲げられたコンセプトは、創業当時から脈々と受け継がれてきたように感じられる。
ランチ/雑貨/リラクゼーション/シェアスペース/おでかけ/杵築市
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