大分のおいしいネタ、抽出しました。

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1.有機100%にこだわる理由―先代の強い想い

8.9アールの広い土地を管理している

臼杵市野津町八里合の丘陵地、霧深く、寒暖差の大きな山あいに『高橋製茶』はあります。1956(昭和31)年、創業者である先代・髙橋英雄さんが茶畑の開墾に取り掛かり、平成の最初に有機栽培による茶葉の生産に着手しました。しかし当時は現在ほど有機に対する理解が十分ではなかった時代。なぜそんな中、同社は “有機”にこだわったのでしょうか?

代表取締役の髙橋雄三さん

「同業者で有機栽培を行っている人はおろか、当時はその意味を知る人すら少なかったはず。きっと父は変わった人だと思われていたでしょうね」と、にこやかに語るのは、代表取締役の髙橋雄三さん。
転機は先代がいつものように茶畑で作業をした時、農薬の入ったタンクとノズルをつなぐホースが外れ、誤って全身に農薬をかぶってしまったことにさかのぼります。先代はそのあと、めまいや気分の悪さを覚え、体調を崩してしまったといいます。「農薬を食べ物にかけてはいけない。これでお茶を育ててみせる!」。その一件以来、野津町の自然豊かな環境を生かし、化学肥料などを使わないお茶づくりのへの挑戦がスタートしたのです。最初は茶葉がうまく育たず苦労したそうだが、1年2年と続けた時に茶葉の樹が強くなり、槌の中の微生物が活発に働き、肥料の養分もよりよく吸収できるようになったそう。先代の選んだ道は決して間違いではなかったのです。

2.大分県で最初(第一号)の有機JAS認証を取得

8品種のお茶と栽培している

『髙橋製茶』では、いち早く、食の安心・安全を最優先に位置づけ、2001(平成13)年3月に、大分県で最初(第一号)の有機JAS認証を取得。化学肥料・化学農薬・除草剤の使用を禁止した茶園と非有機物の混入等ないように厳重に管理した製造プラントで有機のお茶づくりに取り組んでいます。さらに2013年(平成25年)には、農林水産省主催の「全国環境保全型農業推進コンクール」にて生産局長賞にも選出されています。

3.生産から流通まで。一括するから有機農法

手前から「有機緑茶ゆずぶれんど」950円、「有機緑茶かぼすぶれんど」950円、「有機わ紅茶」540円など

大きな茶摘採機で茶葉を刈っていく

化学肥料を用いる慣行栽培とは異なり、土から丁寧に育てるのが『髙橋製茶』のこだわり。先代の意志を受け継ぐ、代表の雄三さんは、よりよい土壌のあり方を追求し続けており、自らの手で最適な土の状態を模索しているといいます。生産から製造、販売まで一括でおこなっているからこそできる、徹底的な有機農法。生産・加工、流通など、自ら現場に足を運び、製茶の進歩した今でも五感を駆使した作り手の経験が欠かせません。

4.新商品やカフェ事業を通じ、「日常の中に日本茶を!」

「おいしくて、安全。この有機栽培のお茶をたくさんの人に楽しんでもらいたい」。その熱い思いから新商品の開発にも積極的に挑戦。廃業が決まった町内の茶畑を受け継ぐなど、徐々に拡大を遂げた茶園では、「やぶきた」を中心に8品種を栽培。まろやかで優しい「有機わ紅茶」や「有機ギャバ茶」、国産有機カボスやユズのドライピールを緑茶と合わせたブレンドティーなど、そのラインアップは実にバラエティー豊かだ。

茶畑の隣でお茶の魅力を感じられるカフェメニューも開発中だという

2023年3月には、茶園の敷地内に待望のカフェが誕生予定。1階は自社製品を取り揃えるアンテナショップ、2階には窓の外に茶畑を望みながらドリンクやデザートを楽しんでもらえる空間を建設中なのだとか。

代表の髙橋さん(写真中央)と共にお茶づくりを支える女性スタッフ

さらに「Tea Tourism(お茶ツーリズム)」を計画。お茶を通じたさまざまな観光プログラムを考えているそう。日常とは離れた空間でおいしいお茶、人との交流を楽しめるなんて、今からワクワクしちゃいますね。

記事協力:野津町商工会 伴走型小規模事業者支援推進事業
住所:臼杵市野津町野津市374-1
TEL:0974-32-2389
高橋製茶
住所:臼杵市野津町八里合1407
電話:0974-32-4219
HP:http://tkhs-cha.com/
<キーワード>製茶/お茶ツーリズム/有機栽培/オーガニック/無農薬/元気企業/若手オーナー/インタビュー/野津町/臼杵市/大分県

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