大分のおいしいネタ、抽出しました。

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数ヶ月前、知人からとあるお茶をいただいて以来、私はすっかりそのお茶を仕事の合間に飲むことがルーティンになってしまった。
蓮の葉茶と名付けられたそのお茶は、癖も臭みもなく、今までに味わったことのない体に良さそうな風味とサッパリとした味わいが特徴的でとても飲みやすい。

毎日飲んでいたため、あっという間にティーバッグが底をついてしまったが、リピートする気満々だった私は、パッケージに書かれた『タナカレンコン』をネットで検索してみた。
それが私と『タナカレンコン』の出逢いであるが、実際どのようにしてレンコンが種から育っているのか?どのように収穫されるのか?そしてどのように蓮の葉がお茶になっているのか?
止まらないレンコンの知識欲にせき立てられるように、早速私は『タナカレンコン』のレンコン農場へ向かうことにした。

杵築駅から10分ほど歩くと、山に囲まれた自然豊かな土地にどっしりとした泥の畑が広がっている。子供の頃、よく通っていたお米の畑とは違う見た目のレンコン畑を興味津々で眺めていると、畑の向こうから田中さんが、気さくに声をかけてくれた。

そして備中種レンコンと呼ばれる細長いレンコンが、新鮮な泥がついた状態でタナカさんの手に握られている。「さっき掘ったばかりなんです」と教えてくれた田中さんは、祖父が大分市で50年間育ててきたレンコンの種を守りたいという想いだけで、14年間歩んできたという。

「最初はとにかく祖父の種を守りたいという想いだけで、農家になるつもりもなかったんです。ただ、レンコンはその日の気温に左右されやすく、県外に出荷する時もクール宅急便で送らないと影響を受けるほど繊細な食物で、こだわるほど本当に美味しくなるし、味も変わる。レンコン栽培の面白さに気づいてからは、ずっとレンコン一筋です」(田中さん)

自然の湧き水や落ち葉などを肥料として用い、無農薬、化学的肥料や動物性肥料不使用の完全自然栽培にこだわって作られたレンコンは雑味がなく、素材そのものが持つ甘味がダイレクトかつストレートに伝わってくるという。
私もレンコンは好きで、よく料理に使っているのだが、水煮になったレンコンを使うことが多く、泥付きのレンコンを取り扱うのは今回が初めての経験だった。
実験でも行うかのように、泥を落とし、皮を剥き、アク抜きをして、切っていくという全ての過程で、「今まで知ってたレンコンと違う!」と田中さんが言っていた、”実はとても繊細な食物”ということを思い知らされた。

切っている時の、シャキシャキとした芯の強さと、火を加えた後の、もちもちした食感が出てくる、食材としての柔軟さや素直さも、自然栽培で育ったレンコンならではの魅力なのだろう。一般的なレンコンの掘り出しは、ジェット噴射などを用いて行われることも多々あるが、田中さんたちは掘り出しも全て手作業で行っているという。さらに通常は20~30cmで栽培されるレンコンだが、田中さんの備中種レンコンは、60~70cmの深さで栽培されており、その方が水の影響をうけずに、美味しく育つのだそうだ。

こだわり抜かれたレンコンたちだが、ここ数年は台風に2回当たるなど、天候との戦いを強いられる苦しい状況が続いていたという田中さん。

そんな時に、別の発想が必要だと思いついたのが、タナカレンコンのアイコンともいえるレンコン王子と蓮の葉(まこも)茶などの、レンコン加工品だった。

「農法は妥協せず、レンコンの新たな可能性を知ってもらう機会を作っていきたいと考えています。人のニーズがどこにあるのか?ということもリアルで対面しないと分からない。だから、実験的に催事などにも積極的に出展しています。あとはレンコン王子を務めてくれている彼との出会いも大きかったですね。こういう人と一緒に仕事したい。このタイミングを逃したら何か後悔すると思い、『畑見にこない?』と声をかけたのがきっかけでした」

25歳で、右も左も分からない状態で、レンコン作りに誘われたというレンコン王子。初めて畑に入ったその日には、もうレンコン作りに夢中になっていたという。
「毎日二人で、泥だらけになりながら、レンコンを掘ってます。レンコンの泥は水を吸って重くなっているので、下手すれば何トンの重さにもなる。おかげで胸筋がつきました(笑)」(レンコン王子)

そしてさまざまな縁が結ばれた加工商品の開発過程でも、こだわり故の苦労があったという。
「加工品の開発となると、どうしても自分たちだけでどうにかするのは厳しく、他企業さんと共同開発という形で、商品開発の模索をしていっています。たとえば蓮の葉茶も、ティーバッグにする過程で風味や味が変わってしまい、また癖を消すだけでも5年かかりました」(田中さん)

レンコンそのものの良さと、新たな可能性を引き出す加工品は何か?それを自らに問いながら、アイデアを具現化する壁にぶち当たり続ける日々だと田中さんは答えてくれた。
現在ネットショップで力を入れて販売しているのは、蓮の葉茶ティーバッグと、レンコンパウダーで、レンコンには喉の炎症を抑える作用もあり、喘息を持ったお子さんがいる東北地方の方からも注文があるという。
中国では漢方薬として珍重されているといい、レンコンパウダーは味噌汁やスープ、コーヒーなどに入れて、手軽に使うことができるのでおすすめだ。私も日頃、喉を使う仕事をしているので、ここぞという時、レンコンパウダーを汁物に入れている。

田中さんのレンコンへのこだわりを大切にしているのは、愛情をかけた分だけしっかり答えてくれるレンコンへの愛情が根底にはあるのだろう。そして、私たちはレンコンを通して自然そのものが持つ美しさを口にしているのだと私は感じた。

今回の取材を通して、私も田中さんに感化されたのか、確実にレンコン愛が目覚めてしまった。皆さんも日常の中に、レンコン革命起こしてみてはいかがだろうか?

取材・文=SALLiA

 

タナカレンコン
HP:https://tanakarenkon.base.shop (オンラインショップ)
Instagram:https://www.instagram.com/tanakarenkon/
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