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放課後の部室感とサブカルで繋がる、仲間感を得られる『アニたま』【SALLiA’s リトリート第20回】
私が故郷といわれて、思い浮かぶ居場所がいくつかあるのだが、その中の一つがこのサブカルバー『アニたま』である。
オーナーの宮本さんと出逢ったのは、2015年のべっぷ火の海まつりで開催された「のど自慢」で、審査員を務めさせていただいた、その時のステージでアニメTシャツを着て、アニメ「東京喰種(トーキョーグール)」のオープニング曲を歌っていたのが宮本さんだった。
アニメ、ゲーム、漫画などのサブカルをこよなく愛していた私は、宮本さんと仲良くなりたい!と瞬時に思い、聞けば『アニたま』というサブカルバーを経営しているとのことで、ますます興味津々に。
火の海まつりを終えたあと、早速お店に伺うと外国人のお客さんや常連のお客さんたちで賑わっていたのを今でも覚えている。それなりに人とは上手く関わるが、心底楽しめているかと言われれば、いつも疑問が残るほど、実はあまりオープンマインドで生きることができていない私にとって、『アニたま』は最初、緊張する場所だった。
だが、それも本当に最初だけで、気づけば好きなアニメやゲームの話で盛り上がり、常連客の方達ともいつしか「マブダチ」のような空気感になっていた。とにかくオーナーの宮本さんは「オープンマインド」で生きている人で、すぐに誰とでも友達になろうと努力できる人だ。
2011年12月24日のクリスマスイブにオープンした『アニたま』は、家でも、仕事場でも学校でもない、部活終わりの部室で友達と駄弁っているような何気ないが尊い日常の一瞬を切り取ったかのような居場所だと、私は思う。
店内の至るところに置かれたフィギュアやグッズは、この場所に集う人たちが自然と置いていったものだそうで、それは自分がここにいる証と店に愛着を持つ証の表れとも言えるだろう。
またバーというと、大人の居場所というイメージだが『アニたま』は店内禁煙で、子どもも大歓迎と、良い意味で、垣根なく楽しめるみんなにとっての「遊び場」というイメージだ。
そして私は『アニたま』のティーソーダを飲むと、「帰って来た感」をすごく感じるのだが、オーナーの宮本さんに聞くと、喫茶店を経営していたお母さまからの秘伝の味だそうで、なるほどと一人腹落ちした。
ほどよい酸味と、バランスの良い炭酸の苦味と甘味がなんとも言えない懐かしさを与えてくれて、落ち着く居場所づくりに一役買っている名物メニューだ。
さらに『アニたま』には、世界各地の日本のサブカルファンたちがこぞってやって来る。店に貼られた世界地図は、削れるようになっていて、実際にその国や州からの来訪があった場合は削っているそうで、もうすでにいくつか削れている箇所が結構あるから驚きだ。
つい最近も、カナダから3年ぶりに『アニたま』にやって来たお客さんがいたそうで、他にもイタリア、フランス、インドなどとにかく幅広い。そんな彼らを宮本さんは「友達」と呼び、コロナ禍で来日できない時もずっとメールで親交を深めていたという。
『アニたま』の世界観は、学校にいる間は、あんまり話さなかったけれど、放課後に共通の友人の家で一緒に遊んだらめちゃくちゃ仲良くなったみたいな経験に似ているのかもしれない。気づけば自然と、心が開いているから不思議だ。
「とにかく別府という地元で何かをしたかったですし、人が別府に来たい、別府にいる人が外に出たいと思う動機を作りたいというのが大きな理由でした。当時、別府にはまだサブカルバーというものはありませんでしたし、アニメ、ゲーム、漫画のブームはありましたが、ボーカロイドブームもあり、それを歌いたい、みんなと共有したいと思う人のニーズに応えたいという思いもあり、ボーカロイドの曲が多く歌えるカラオケも導入しました」(オーナーの宮本さん)
カラオケは歌い放題で、なんでも歌い放題の日もあれば、アニソンやボーカロイド縛りの日など、カラオケを楽しむ上でのスパイスも加わっている。
たしかに2011年といえば、ボーカロイド全盛期で、ネットには「歌ってみた」動画などもたくさんアップされていた。アニメやゲームも、今でこそオンラインで繋がるのは主流となったが、コロナ禍も経て、だからこそ、リアルコミュニティの場は貴重だと改めて実感している人も多いのではないだろうか?
「小倉に住んでいた際、丁度アニソンバーなどができ始めた時期で、北九州のアニソンバーのオープニングイベントに行ったら楽しくて、通った三日目には「自分も同じことをするんだ!」と決意し、仕事をやめた5カ月後にオープンしました。サブカルといっても、流行の切り替わりも早く、ジャンルも幅広い。常に情報を最前で得て、お客様から投げていただく球を全て取るという気持ちで、毎日がアップデートの繰り返しです」(オーナーの宮本さん)
別府をもっと盛り上げたい!という熱い想いを元に、「アニたま大宴会」という年に一回開催しているリアルイベントを復活させたり、別府のグルメにも造詣が深いため、別府のグルメの魅力を発信する活動も視野にいれているという宮本さん。
「たとえば、『アニたま』に来てくださるお客様は、ついでに近隣でご飯を食べたりすることも多いのですが、”アニたまに行く”という一つの動機があることで、必然的に周りへ良い影響を与えて、別府という街が盛り上がることに繋がると考えています。そのために、動機=魅力(目的)はたくさんあったほうが良い。『アニたま』に来て、僕に「何かいいところない?」と聞いて来るお客様も多く、まるで裏観光案内所のようですが(笑)街に住んでいるからこそ、見えて来る本当の「魅力」があると思っています」(オーナーの宮本さん)
サブカル愛と別府愛から生まれた『アニたま』は、いつしか世界中から愛を集める場所となっている。
取材・文=SALLiA
住所:別府市元町10-6 元町モール101
電話:なし
営業時間: 平日・日曜20:00〜深夜1:00、土曜・祝前日20:00〜早朝5:00
定休日:不定
駐車場:なし ※近隣のコインパーキング利用(有料)
HP:https://www.youtube.com/@bar2886
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