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【SALLiA’s リトリート第16回】音楽・スポーツ・食 三位一体みんなのホーム『12-twelve-』
大分の府内五番街に位置する『12-twelve-』は、2022年11月1日にオープンしたばかりのSports & music cafeだ。お店の名前でもある「12」という数字には大分トリニータのサポーター背番号「12」、音符の数「12」、1年12ヵ月通じて四季折々の料理を届けたいなど、数々の想いが込められているという。
大分トリニータを彷彿とさせるブルーとイエローのロゴがあしらわれた扉を開くと、大分トリニータの選手たちのユニフォームやトリニータに関連するグッズや、ライブステージがバランスよく配置されている。
まさにスポーツと音楽を愛する人たちの聖地と呼びたくなるような空間が、そこには広がっていた。
人と人が繋がるきっかけは様々だが、ぐっと距離を縮めることができるのは「同じものを共有すること」だと、私は思う。その中でも「料理」「スポーツ」「音楽」などのコンテンツは、特に有用ともいえるが、そんな三つの柱を元に、一つの空間を提供している『12-twelve-』。
オーナーは、先月27日にiichikoグランシアタでのライブを成功させたシンガーソングライターの中村慎吾さんだ。なぜ、一アーティストがお店を?と思った方もいるかもしれない。実は私も少しだけ疑問だったので、早速、本人に聞いてみた。
「元々、この場所は自分にとっても思い出が詰まったライブバーだったんですが、コロナ禍をきっかけになくなることになって。大分という地で自分が何かできるんじゃないかと思い、売りに出されているサイトを見て、思い切って購入したんです」
コロナ禍で、軒並み無くなっていくライブハウスを見ていくのが、辛かったという中村さん。
「音楽活動をする中で、いろんな仲間や応援してくれる人、同じ大分トリニータを愛するのサポーターとの出会いの中で、自分もそんないろいろな仲間が集う場所を作りたかったんですよね。あとは純粋にミュージシャンが、大分でご飯を食べられる場所や文化を生み出せる”居場所づくり”もしたいと考えていました」大分人にとって、故郷である「大分」を象徴するものといわれて思い浮かぶものはきっといくつかあると思うが、中村さんにとっては、ともに支え合ってきた「音楽」「大分トリニータ」「故郷の味」だったのだろう。
音楽活動やライブ同様に「一対一の対峙をする」ことを心がけているそうだが、提供されるメニューにもそんなポリシーと「郷土愛」が隠されている。
スポーツやライブをコンセプトにしたお店らしく、もちろん洋食や軽食のメニューやお酒の種類も豊富だが、なんといってもおすすめは「味噌汁ランチ」と「おでん」だそうだ。
思わず「おいしそう…」と小声で呟いてしまったぐらい、日本人にとってはたまらない組み合わせである。
でもこんなイケてる空間で、出てくるメニューにしては珍しいのではないか?これもせっかくなので中村さんに聞いてみる。
「僕はやっぱり臼杵出身なので、臼杵の味噌を使いたかったというのもありますし、お味噌汁が嫌いな人っていないじゃないですか(笑)。そして、お味噌汁が主役になることも実はない。提供するものだけでなく、ここで働いてくれる従業員や、出演してくれるミュージシャンのみんなにスポットライトをあてたいと思っているんです」。
スポットライトが当たる喜びや辛さを知っているからこそ、生まれた「こだわり」。サポーターと共に応援する喜びと、応援される喜びの両方を知っているからこそ生まれた「望み」。
「ホーム=居場所」の有り難さ感は、そういった「心の温度」のやりとりから生まれるのかもしれない。
『12-twelve-』はまさに、そんな「ホーム」を感じさせる場所だった。
取材・文=SALLiA
電話:097-511-3886
営業時間:火~日 11:00~15:00/19:00~深夜0:00
定休日:月曜
駐車場:なし
HP:https://oitanmusic.com
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