大分のおいしいネタ、抽出しました。

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若い頃は「馴染みの店が1軒はないといけない。」と思っていた。1人でふらりと立ち寄って俺専用の指定席に腰を下ろして「マスター、いつもの。」の一言で通じる常連客として。いつもの一杯をいつもの席で、ゆっくりと自分自身と向き合える空間が必要だと。
そんな店が中津にある。とある神社から入ってみると右手に輝く1軒の民家が。

近づいてみると、何やら怪しげな入口が。異次元への境界線か…?

その境界線をくぐると、壁に古い映画がスクリーンで映し出され奥へと続いている。

その先には手入れが行き届いた立派な庭園が広がっていた。

その庭園を通りすぎ、隠れ家『別邸 兆 (きざし) 』の入り口へと向かう。

寒い!!!中に入り奥へと向かえば俺の指定席カウンターがある。
いつもの指定席に腰を下ろし(とは言っても2回目の来店)
「マスター、いつもの。」(いや、2回目です)
「…?いつものと言いますと…?」(2回目ですから)
「じゃあ星炭で。覚えといてくださいよ!」(厚かましい奴や)

「西の星炭酸割」 600円

一口飲めば、芳醇な香りが炭酸と共に広がった。

金曜日の夜…1人誰にも邪魔されることなく1人でいつものカウンター席で過ごす。
これこそまさに思い描いていた馴染みの店だ。(しつこいようだが、まだ2回目です)
目の前には雪の庭園。

庭園を眺めていると、突如ジャズからゴキゲンなロックンロールナンバーへと切り替わった。
「ロッケンロー!!!」
「えっ…???」

マスターのCrazemee(クレイジーミー)さん。
気づけばマスターが革ジャンサングラス姿になっている。
Crazemeeさんは毎夜この庭園を背に支配人としてディナータイムの時間帯は店全体を
見渡し、バータイムの時間になると隠していた本来のロックンロールスピリットが顔を覗かせるのだ。
振り向けばお座敷、床の間には数々の楽器が。

「和室と洋楽器」という本来相反する物が不思議とマッチして佇んでいた。
とは言えロックンロールナンバーばかりではなく、常連客からのリクエストに幅広く応える他、お客さんの会話の中から耳に入ってきたキーワードからそれに関連する音楽をかけたりもする。
「この前なんかひょうきん族の話しをしていたのが耳に入って、その曲をかけたらお客さんが反応して喜んでくれましたよ。」
と嬉しそうに話すCrazemeeさんはミュージックセレクターの一面も兼ねていた。
音楽に詳しいCrazemeeさん、当然自身もミュージシャンでバンドをやっていたという過去が。
『The Bashow』 というバンドのボーカリストとして韓国でのフェスに出演した動画を観た。まさにエンターテイナーという印象だ。
今はこの『別邸 兆』のカウンター内を舞台にしてエンターテイナーとして店を回している。どのようなきっかけがあったのか。
「もともとバンド仲間だった社長(中津の割烹料理店、鬼太郎の社長)からある日急に電話かかったんですよ。見せたいものがあるけんすぐ来て!と。何が何か解らずに博多駅からソニックに乗って中津に向かって。それで連れて来られたのがここ。当時は荒れ果てた古民家で。何か面白そうなことができそうやん?やろうや。と言われて。それで中津に引っ越してバーをやることになったんですが、そこからまた話しが飛び火して社長が料理長を見つけてきたんですよ。ちょ…ちょっと待てと(笑)バーやるんやなかったんかいと。それで肉懐石を出すようにしようと。なので当時は支配人なんてやるつもりもなかったんですよ。ただ、もう決まってしまったので。その代わりバータイムは好きにやらせてもらっています。今となってはこの形態で良かったと思います。料理長もいろんな名店で経験を積んできた人なので料理もお客様に好評をいただいています。」
(料理の写真はInstagramをフォローして参照いただきたい)
「神社のすぐ横というロケーションと庭園、築100年以上の古民家という条件が揃っ
て仏閣好きの方を中心に他県からのお客様も多いです。特にこの古民家の前の所有者の息子さんが来られた時はすごく喜ばれて。殆ど間取りを変えずに店造りをしたので、ここ私の部屋だったとか。残してくれてありがとうと言っていただいて嬉しかったですね。」
間取りの他にも、今の時代では見かけない大正ガラスの引き戸など当時の物を残すことで他のお店では体験できない非日常を感じることができる。
ふとまったりした自分を見て、ロックンロールナンバーから女性ジャズヴォーカルに切り替えてくれた。
きっと物思いにふけっていると判断してのセレクトだったのだろう。
だが違う…どうやら星炭1杯で酔っ払ってしまったようだ。
断酒をして以来めっぽう弱くなってしまった。
こうなったらオレンジジュースで酔いを冷ますとしよう。

もう昔みたいに飲むつもりもないし飲みたいとも思わなくなってしまった。
昔のように酒場に入り浸ることもないのだ。
だから酒場で姿が見えないからと言って近くの墓場を探さないでほしい。
「そこに~私は~いません~♪眠ってなんか~いません~♪」
というアンサーソングを送る。
ただ、それでも1軒は馴染みの店は欲しいので僅か2回目の訪問だがここを馴染みの店とする。
Crazzemeeさん、いつになるかわからないけれど3回目いつもの指定席に座って「いつもの。」と注文した時は星炭~オレンジジュースという流れで4649ロケンロー。

ウッドベース、弾けません…

別邸 兆(きざし)
住所:中津市島田8
電話:0979-64-9777
営業時間:18:00~深夜2:00(ディナータイムはLO22:30)
定休日:月曜
駐車場:なし
HP:https://www.instagram.com/betteikizashi/
チャージ:500円
<キーワード>
大分/中津市/中津/中津ディナー/中津バー/おでかけ/隠れ家/古民家/バー/夜遊び

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