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味噌汁に絶叫。今年のクリスマスは和食に決定。【落合商店の週末⑮】
俺は晴れた日が好きなんだけどクリスマスの日は別で、曇り空がいいなって思ってる。
なんかいかにも寒そうで、雪が降りだしそうで。
取材日は雲が多めで隙間から青空がところどころ覗くクリスマスらしい?空模様だったんだ。
そんな絶好なクリスマス日和の中、今年のクリスマスメニューを考えながら大分駅周辺を歩く。
クリスマスソングを鼻唄混じりに軽い足取りでいろいろと気になるお店を横目に、気づけば大在にいた。
「この交差点を曲がったら何かありそうだ。」
そう思って曲がったところ、今まで何もなかった試しはない。
何かある…。
そう信じて歩いていたところ、ほらやっぱり。気になるお店を発見。
「最高級本枯節と日高昆布使用…お持ち帰りスープ専門店?」
一見住宅なのだが…ちょっと寄ってみるか。
入口前にはバイクが停められていた。
店主はバイカーなのか?いや、もしかしてバイカーたちの溜まり場なのか?
恐る恐る中を覗いた。
店内はこのような感じだ。
こっそりと忍び込んでみると、何やら認定証に終了証が。
「だしソムリエに温活、コーヒーコーディネーター…なんか凄い人が作ってるんだろうな。
頑固な人だったらどうしよう。嫌だな…嫌だな…。」
「私がそのだしソムリエに温活士、コーヒーコーディネーターの山本です。」
と突然厨房の中から現れた。
イケメンすぎてズッコケた。
と同時に頑固そうな雰囲気はなく、ホッとした。
「すみません、ここはスープお持ち帰りの店なんすか?」
「はい、スープの専門店でかなり素材にこだわって作っています。店内での飲食もできます。」
「まじっすか!?どんなかんじなんすか?」
「例えばスープのだしは日高昆布と枕崎の最高級本枯節を使っています。
本枯節の両端は削っても細かな削りカスしか出ないんです。その両端でだしを取ると濁ってしまって良いだしは取れないんですよ。」
「じゃあ両端は使わないんですか?もったいないですね。」
「そうですね…ただ、良いだしを取るために妥協はしたくないんです。本枯節は一般的なかつお節のタールをナイフで削ぎ落してから、カビの粉を塗るんです。そしてそのカビがかつお節の中の水分を食べるので、水分が抜けて熟成されます。だいたい1年半くらいその工程を繰り返して出来上がるのが最高級の本枯節なんです。」
「1年半も!?それは凄いっすね!」( 理解が追い付かなく、1年半というキーワードにしか反応できていない様子)
「この本枯節でとっただしは凄く透明感が高くて濁りもなく美味しいです。飲んでみてください。」
うむ、確かに濁りがなくうっすらと黄金色に輝いているな。
一口飲んでみると…
口の中に上品な味わいが広がるじゃないか。
例えるならば…京都の料亭だ! 行ったことないけど)
「これめっちゃ上品な味っすね!」
「そうなんですよ。ただ、こだわって使ってる本枯節でも上手くいかないとだしが濁って、味も変わるんです。」
「なるほど…変な主張がなくてしっかりおいしいっすね。」
「はい、素材の味で勝負しているので無駄に主張しなくても味の良いスープ作りをしています。」
俺は恥ずかしくなった。主張しまくりのスーツやないか…。
恥ずかしさのあまり、全身が真っ赤に染まっていくのがわかった。
素材が良ければ、変に小細工をしなくとも十分ということだな。
食材も人間も。
しかし、自身のこだわりで作るスープについて語る山本さんは本当に活き活きしている。
本当に情熱を持ってるんだな。
ここでオススメのメニューを。
まずはマルゲリータ。
人気メニューかつ、山本さんの一押しメニューだ。
続いてこだわりの「黄金だし味噌汁」。
味噌汁はわかめや豆腐、なめこにほうれん草など好きな具材を3種選べる。
お米は大分県産ひのひかりのだしご飯。
一口啜ると先程の控えめで上品な味をベースにしっかりとした主張が加わっていた。
そしてなぜか懐かしい味がしたのだった。
お婆ちゃんが作った味噌汁に近い味が…全く同じ味ではないのだが。
「おそらくしっかりとだしを取って作っていたんじゃないかと思うんです。しっかりだしを取った味噌汁は市販の味噌とは違う味わいがあります。」
あまりにおいしすぎて、山本さんの説明が右耳から左耳にすり抜けていた。
夢中で完食。
一汁一菜ではない、味噌汁がおかずとして十分成り立っている。
他に余分なおかずはいらなかった。心もお腹も満足だ。
まさに他にはないオンリーワンの山本さんが作るスープのお店。
初めはなかなか前途多難だったそう。
「店を出す時に物件を探していた時も、不動産屋さんから流行らないからやめたほうが良いという言葉を多く言われました。でも、そう言われても必ずだし味噌を大分で有名なブランドにしてやるという思いでなりふり構わずに突っ走ってきました。
失敗もたくさんしましたが、その経験を活かして必ず10年以内に有名ブランドにするという思いで日々励んでいます。」
その言葉を聞いて熱くなり、また全身が真っ赤に染まっていくのがわかった。
よし、今年のクリスマスは山本さんがつくるスープに決定!
そして、中津の両親にお土産として2カップ「黄金だし味噌汁」を買ってお店を後にしたのだった。
住所:大分市志村481-1
電話番号:080-5617-0390
営業時間:12:00~19:00
定休日:第1・3日曜
駐車場:5台
HP:https://www.instagram.com/dashitomiso
大分/大分市/大在/専門店/スープ/みそ汁/味噌汁
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